服薬指導の実践「1日1.5リットルの水を飲む」

薬局薬剤師として30年、何人の患者様に「水分をしっかり摂ってくださいね」と服薬指導してきたでしょうか・・

在宅訪問が始まり、高齢者の水分摂取不足はほとんどすべての患者様に見られることを実感しました。どうにか水分を摂っていただこうと何度も何度もその重要性をお話ししても、高齢者に新しい習慣を始めていただくことは想像以上に困難なことでした。

かくいう私も、「水分摂取は足りていない」生活していることを自覚しておりました。

齢63歳にして、高齢者になる前に水を飲む習慣をつけてみようと1日1.5リットルの水分摂取を実践してみました。(水の必要摂取量の目安は 1日2~2.5リットル程度。そのうち食事で約30%は摂れるので、水分補給として1日1.5リットルと考えました。)

水分補給をしっかり行うことで考えられる健康効果は、
水は1日どれくらい飲めば良いか | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp) や「健康のため水を飲もう」推進運動 (mhlw.go.jp)
などを参考にしてください。

【準備】

  • ①いつも使っているコップで200mL、150mLはどのくらいかを測定
  • ②500mLのペットボトルを水用として持ち歩く。
  • ③まずい水では飲めないので、水を選択(水道水の美味しくないと感じる場所ではおいしい水を購入)
  • ④タイムスケジュールを作ってみる→不都合があれば見直す→自分に最適なスケジュールを構築する

【実施】私の実践したスケジュールは以下の通りです。

時間 飲む量 備考 合計
1回目起床時 200mL 暑い季節は冷たい水もGood
目が覚めて、便通も促す効果あり
200mL
2回目朝食事前 100mL 食事量が減る効果も・・・ 300mL
3回目家を出る前 200mL ここまでは自宅のコップ使用 500mL
4回目日中 500mL 仕事中、休日も持ち歩きペットボトルの水をこまめに飲む、
帰るまでには飲み干す。
1000mL
5回目帰宅時 200mL まずは1杯、うがいの後に・・ 1200mL
6回目夕食前 150mL 食事量が減る効果も・・・ 1350mL
7回目入浴前 200mL 暑いときはスポーツドリンクもおすすめ 1550mL
8回目就寝前 150mL ぬるま湯がおすすめ、
冷たいと不眠につながるかも・・
1700mL

※水は基本的には常温、スポーツドリンクと水のみをカウント、食事中のコーヒーやお茶はカウントしない。
※200mL、150mL飲めないと感じる時は無理をせず150mL、100mLに減らしてOK、そのため、合計量は多目になっている。

【経過】はじめは、欲張りすぎて気持ちが悪くなったり、トイレの回数が増えて夜何度も起きてしまったりしましたが、タイムスケジュールを見直したり、次第に慣れてくるのか夜のトイレも0~1回に落ち着き、どんな飲み物よりも水が好きになりました。

【結果】2か月間行いました。トイレの回数の増加や、甘い飲み物をほぼ飲まなくなったのでデトックス効果を感じました。ダイエットや肌などへの効果は実感には至りませんでした。また、血液検査を、スタート前と2か月後に行いました。目立った変化は特になかったですが、スタート前に唯一異常値だった中性脂肪は正常値になりました。

今回、このような形で水を飲んでみて、習慣的に何かを実施することの気持ちのよさを感じました。今後も続けていきます。
時間にゆとりができた私世代の皆さんには是非お勧めしたいです。どうぞお試し下さい。

11月18日記 里見